2020 年 44 巻 1 号 p. 49-53
痛風関節炎の尿酸降下療法に伴う結晶沈着の経時的変化に関する報告はあるが,滑膜肥厚に関しては明らかにされていない.そこで治療経過に伴う滑膜肥厚の変化を,尿酸降下薬の投薬量が安定した患者11例に対し関節エコー検査を実施し,治療前と治療後で比較した.結果,滑膜肥厚の改善と結晶沈着の減少が見られたのは8例で,改善がない症例と比較すると,罹病期間が短く,治療期間や最終痛風発作からの期間が長い傾向にあった.痛風発作により肥厚した滑膜は他の慢性関節炎同様,治療によって改善することが示された.