痛風と尿酸・核酸
Online ISSN : 2435-0095
原著 7
SGLT2阻害薬による血清尿酸値低下作用の検討
栗山 哲中野 知子田邉 智子槙田 真由美宮川 佳也込田 英夫平尾 磨樹長田 眞三穂 乙哉
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2020 年 44 巻 1 号 p. 61-74

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抄録

背景:Sodium-Glucose Cotransporter 2(SGLT2)阻害薬の心・腎保護のエビデンスが明らかにされてきた.その作用機序は多面的であるが,尿酸(UA)値低下作用もその一因と考えられる.本研究では,2型糖尿病患者においてSGLT2阻害薬投与による血清UA値の長期変動を検討した.

対象と方法:SGLT2阻害薬の治療効果を長期観察し得た2型糖尿病患者90例を対象にし,後ろ向き観察調査を行った.

結果:SGLT2阻害薬投与後,HbA1c,食後血糖値,1,5-AG,血圧,体重,BMI,TGなど糖尿病関連マーカーの改善と同時に血清UA値低下作用が確認された.この効果は,4週目から認められ48週間以上にわたり持続した.また,血清UA値低下は糖排泄増加と関連し,Fractional Excretion of UA(FEUA)の増加を伴った.さらに,尿中アルブミン排泄量(ACR)は低下,微量あるいは顕性アルブミン尿群に改善効果が確認され,一部にACRの正常化例の出現も認めた.SGLT2阻害薬6剤間の比較では,血清UA値低下作用を含めた各測定項目の変化に群間差異は認められず,これらの効果は一律の「Class Effect」と思われた.本剤の痛風発症抑制効果に関しては不明であった.

結論:SGLT2阻害薬による血清UA値低下作用は,尿糖排泄増加とFEUA増加を伴う.高尿酸血症を合併する2型糖尿病患者にこの作用が有益か否かは今後の研究による.

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© 2020 一般社団法人日本痛風・尿酸核酸学会
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