日本護謨協會誌
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ゴムの自然老化と促進老化に對する酸化防止劑の効果
Rees F. TenerWilliam L. Holt鈴木久 右衞門
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1936 年 9 巻 3 号 p. 120-131

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抄録

5種類の異つたゴム配合に就て其の各々に各種の酸化防止劑を混じたものを次の如き5種類の條件の下に老化せしめ適當な期間毎に抗張力試驗を行つた。(1) 暗所貯藏 (2) 露天曝露 (3) 70℃の空氣中 (4) 90℃の空氣中 (5) 60℃に於ける毎平方吋300封度の酸素中。曝露期間は高温試驗に於ける數日より暗所貯藏の場合に於ける7~8年に及んだ。結果は10組の抗張力-時間曲線グラフをもつて表はしてある。酸化防止劑の効果を數字的に表はす二つの方法を提示した。一つは時間指數でゴムの有効使用時間の増加度の目安となるものであり、も一つは抗張指數で、酸化防止劑を含まぬ場合に比して平均抗張力が如何程増加したかを示すものである。酸化防止劑の効果は配合のタイプ、酸化防止劑自體の種類、曝露の條件によつて甚しい相違がある。各種類の促進老化を行ひ其の場合の前記測定指數を天然老化のそれと比較する事により其のゴム品に對しての最適老化試驗法を選擇する手掛りが得られる。

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