日本ゴム協会誌
Print ISSN : 0029-022X
ポリ塩化ビニルの残留歪の研究
(第7報) 残留歪と透湿性
細田 喜六郎
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1960 年 33 巻 5 号 p. 344-354

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抄録
本報告はポリ塩化ビニル混和物成型品の透湿性に及ぼす残留歪の影響を検討したものであって, 残留歪の透湿性に及ぼす影響は残留歪の大きさと発生温度にのみ係り, 可塑剤量とは殆ど無関係であることを明らかにした. また, この原因を内部組織の変化に求め, 可塑剤分子の溶媒和していないポリ塩化ビニル分子鎖の集合部分における, 歪による結晶化及び極微の空孔と微細な独立の空隙の発生によるとした. そして結晶は透湿性を低下させ, 空孔と空隙は透湿性を増大させる, 特に空孔は顕著である.
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