日本ゴム協会誌
Print ISSN : 0029-022X
ブチルゴム用複合架橋剤
森 邦夫菅原 浩実渡辺 明中村 儀郎
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60 巻 (1987) 10 号 p. 592-600

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抄録

低スコーチ性, 高速架橋性, 及び抗架橋もどり性の三点に特徴をもつブチルゴムの架橋反応が, ペルオキシド, キノンジオキシム, 三官能性アクリレート, トリアジンチオールの四成分の組み合わせにより可能となった. これらの成分からなる複合架橋剤はその一つが抜けても上記の特性を示さず, それぞれが上記の特性に対して重要な役割りをしていることがわかった. すなわち, ペルオキシドはラジカル発生源として作用し, 直接架橋鎖の生成に寄与する. キノンジオキシムは初期反応の抑制と切断したブチルゴム分子鎖を再生する働きをすると推察され, 低スコーチと抗架橋もどり性の向上に有効であった. 三官能性アクリレートはブチルゴム主鎖に生成したラジカルと反応し, グラフト鎖と架橋鎖を生成するので, 上記の三つの特性に直接関与する. トリアジンチオールはグラフト末端のラジカルの再結合を抑制するので, 主に低スコーチ性の向上に有効であった. 得られた架橋物の初期物性値は従来のキノイド架橋物のそれより若干劣るが, 耐熱性はそれより優れていた.

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© 一般社団法人 日本ゴム協会
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