日本ゴム協会誌
Print ISSN : 0029-022X
湿潤環境下におけるNR-黄銅コード接着物の劣化挙動
森 邦夫金 載宗安川 貴巳平原 英俊大石 好行堀江 皓中村 満平塚 貞人
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67 巻 (1994) 4 号 p. 293-305

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抄録

天然ゴムースチールコード接着物の湿潤劣化性に及ぼす硫黄添加量, 促進剤の種類および配合の種類などの影響をはく離強度とゴム被覆率の変化から検討した. 低硫黄基本配合の接着物における初期の湿潤劣化速度は小さいが, 長期になると劣化速度が増加した. 高硫黄配合においては初期の劣化速度は大きいが長期になると減少した. Co配合の接着物は, 高硫黄配合の接着物において基本配合より劣化速度が低かった. スチーム劣化はCo配合の接着物において水中劣化より高い劣化速度を与えた. 湿潤劣化性に及ぼす促進剤アミンの影響を知る目的で, スルフェンアミド系促進剤とチアゾール系促進剤の影響を検討した結果, 前者はどの場合もはく離強度とゴム被覆率を著しく減少させるが, 後者は長期の劣化においてもゴム被覆率が高くスチールコードが腐食し難いことが分かった. 劣化試験後の剥離面のSEM観察とEPMA分析をゴム側とコード側について行った結果, 高硫黄配合の接着物について破壊は先ずコードの黄銅層で起こっておりゴム側に金属腐食成分の存在が確認され, 湿潤劣化が黄銅層の応力腐食割れに始まることが明らかとなった.

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© 一般社団法人 日本ゴム協会
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