抄録
オーチヤードグラス草地における株の大きさと株間距離の関係,株の分布状態などを検討するため,施肥量を3水準として3年間刈取りを行なった草地を用いて調査し,次の結果を得た。1.この調査では株の大きさの測度として,株の直径を用いた。これと株当り茎数との関係を求めたところ,両者に高い相関が得られた。2.密度変化の小さくなった群落においては,刈株の直径(R)と株間距離(D)の間に極めて高い相関が認められた。回帰式の形をD=aR^bとして係数を求めたところ,D=1.177R^<1.11>(r=0.949)を得た。3.大小の株が混在している場合は,大きな株の近くには小さな株が存在し,離れるにつれて大きな株が存在するような配列傾向をもつことが示された。4.上記の結果から,草地における密度や基底被度が株の大きさに対する株間距離という関係からもとらえうることについて考察した。