抄録
ソルガムと青刈大豆との混作栽培において,生育特性の異なる品種の組み合わせが,乾物生産,光エネルギー利用効率および生長に関する諸要因におよぼす影響を検討した。1)混作による乾物収量の増加は認められなかったが,合計相対収量は1.0以上を示した。光エネルギー利用効率は,生育後期において各混作区とも単作区より高い値を示した。品種の組み合わせの相違が乾物収量および光エネルギー利用効率におよぼす影響は認められなかった。2)生育後期における混作ソルガムのCGRは,単作ソルガムと比較して高くなった。これは混作ソルガムの高いNARによるものと考えられた。推定光合成量とSLAとの値から,混作ソルガムのNARの向上は,単作ソルガムと比較して総光合成量が高く,呼吸量が低いことによるものと推察された。3)ソルガムと青刈大豆との混作栽培では,生育特性の異なる品種を組み合わせた場合でも,両草種の競争関係には相違は認められず,ソルガム単作と同等の乾物収量を得るためには,優占種としてのソルガムの乾物収量を高めることが必要であると認められた。
