日本草地学会誌
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Print ISSN : 0447-5933
サイレージ発酵がヨーネ菌(Mycobacterium avium sub sp. paratuberculosis)の生残に及ぼす影響
片山 信也田山 ちぐさ藤田 巧斉藤 美英鈴心 秀歌小野内 栄治
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2000 年 46 巻 3-4 号 p. 282-288

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抄録

小規模サイレージ発酵試験法を用い, サイレージ発酵がヨーネ菌(Mycobacterium avium sub sp. paratuberculosis)の活性に及ぼす影響について検討した。滅菌生理食塩水で水分80%(v/w)に調整した滅菌ルーサン粉末とヨーネ菌懸濁液を滴下した濾紙を入れたパウチサイロに, 乳酸菌またはギ酸を添加剤として加えて調製した。5℃で14日間貯蔵したサイレージではpHが高く, 乳酸含量が低く, 乳酸発酵は進行しなかった。また, サイレージ中のヨーネ菌は高い菌数レベルで検出された。一方, 30℃と37℃で貯蔵したサイレージではpHが低く, 乳酸含量が高い良質なものであり, サイレージ中のヨーネ菌は死滅して検出されなかった。ギ酸, 乳酸, 酢酸, プロピオン酸および酪酸に対するヨーネ菌の耐性はそれぞれ0.05, 0.10, 0.05, 0.10 および0.30%(v/w)以下であり, 0.50%有機酸溶液に7日間浸潰したヨーネ菌は菌体の変形が観察された。しかし, 有機酸の添加液を30%(v/w)のNaOHでp日6.5に調整した場合, 有機酸の濃度に関わらずヨーネ菌は生残した。以上の結果, サイレージ発酵産物が効果的にヨーネ菌の生育を抑制するため, ヨーネ菌に汚染された良質発酵サイレージはヨーネ病の感染源にならないが, pHが高く, 乳酸含量が低い劣質発酵サイレージや低水分サイレージ中のヨーネ菌はヨーネ病の感染源になる可能性が示唆された。

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