2003 年 48 巻 6 号 p. 504-509
エンドファイトの植物に与える影響を調べる場合,同一遺伝子型でエンドファイト感染,非感染個体を作出する必要がある。ペレニアルライグラスとトールフェスクで感染個体から非感染個体を作出するために3種類の浸透性殺菌剤を用い,3水準の濃度,3種類の浸漬時間の検討を行った結果,ベノミル剤は両草種に有効で,トリホリン剤はトールフェスクにのみ,チファネートメチル剤はいずれの草種にも有効ではなく,殺菌剤とエンドファイト種の間に特異性が認められた。両草種とも根つきの単一茎をベノミル剤の2%液に48時間浸漬し,その後水洗してバーミキュライトのポットに移植することによりエンドファイト非感染個体を効率的に作出できた。