地理学評論
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仙台周辺の丘陵地における崩壊による谷の発達過程
宮城 豊彦
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52 巻 (1979) 5 号 p. 219-232

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抄録

仙台周辺の丘陵地のうち,西田中地区について,谷頭部の地形・地質調査を行ない,谷の構造・発達過程を明らかにした.西田中地区の谷すじは,上流から谷頭部・V字谷・谷底平坦面を有する谷に分類され,特に谷頭部は大規模平底型・杓子型・小規模平底型に細分された.
大規模平底型は,第II段丘面形成後,埋積第III段丘形成中(約6~3万年前)に形成されたと考えられる.この時期はヴュルムの最寒冷期に向かう時にあたる.間氷期を経て風化が進んだ地表付近では,風化した第I段丘構成礫や大年寺層に,湿潤・寒冷の気候下で数万m3の地すべり性斜面崩壊が発生した.この崩壊によって大規模平底型谷頭部が形成され,その時の移動物質はV字谷などを埋積した.また,第II段丘面上の一部には堆積性の緩斜面を形成した.
杓子型谷頭部では,30,000年以降,現在まで谷頭浸食を続けている.このタイプの谷頭を形成した原因は,基盤岩の節理やパイプネットワーク(Whipkey, 1965)をすべり面として発生した数千m3の斜面崩壊と考えられる.
小規模平底型谷頭部は,大規模平底型谷頭部の谷壁斜面~谷頭凹地に発生した1回性の地すべりによって形成された.これらの谷頭の発達を大局的に支配するものは浸食基準面の変化である.

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