地理学評論 Ser. A
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日本アルプス主稜線部の組織地形
松岡 憲知上本 進二
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1984 年 57 巻 4 号 p. 263-281

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抄録

日本アルプスの稜線縦断面にみられる起伏と岩質の関係について検討した.花崩岩などの単一の岩種からなる稜線では,起伏は岩盤中の節理の発達程度(密度・結合度)に対応し,突出部ほど節理の発達が少ない.また複数の岩種からなる稜線でも,岩種にかかわらず,起伏は節理の発達程度に対応している。例えば,赤石山脈の堆積岩地域では,チャートや砂岩などの節理の発達の少ない岩石が突出部を構成し,節理の発達の著しい頁岩が鞍部を構成するという対応関係が認められる.節理の発達がとくに著しい断層破砕帯は,深く切れ込んだ鞍部を形成する.
現在の日本アルプスの高山地域では,風化作用の中で凍結破砕作用が卓越している.凍結破砕作用に対する抵抗性の大きさは,主として岩盤中の節理の発達程度に依存している.したがって,現在の凍結破砕作用の進み方は,現在みられる稜線上の起伏の状態と調和的であり,組織地形はより明瞭になっているといえる.

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