地理学評論 Ser. A
Online ISSN : 2185-1735
Print ISSN : 0016-7444
ISSN-L : 0016-7444
広島市における中高層集合住宅居住者の住居移動
由井 義通
著者情報
ジャーナル フリー

1987 年 60 巻 12 号 p. 775-794

詳細
抄録

都市内部に急増する中高層集合住宅は,都市内部に大量の居住空間を創出し,それに伴い居住地の移動が発生する.本稿は広島市内の中高層集合住宅居住者の住居移動について,その空間的パターンと移動の誘因,新居の選択理由を分析した.その結果,中高層集合住宅居住者の住居移動には,移動距離と移動方向に偏倚が存在することが明らかとなった.とくに都心からの距離が増加すると方向偏倚が強くなり,市街地縁辺地域では居住セクター内の移動が卓越する.一方,都心周辺地域では隣接セクターからの移動が多く,方向偏倚が弱い.また,属性別に求めた平均移動距離は属性間では差がみられたが,t検定では職業別にみた場合を除いて有意差は無かった.前住居からの移動理由と新居の選択理由を属性別にみると,最大理由は,前者では居住空間の拡大,後者では交通条件などの利便性であった.

著者関連情報
© 公益社団法人 日本地理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top