地理学評論 Ser. A
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アイスランドの自然地理学
浅井 辰郎岩田 修二貝塚 爽平鈴木 啓助千葉 達朗中村 和郎早川 由紀夫平川 一臣森脇 広
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1991 年 64 巻 2 号 p. 95-124

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抄録

アイスランドは古くから同国人や欧米人により研究され,その地理学的主要文献数は一書では710点にもなるが,日本人による研究はごく少ない.この論文は,1983年から1986年にわたって行なった後記8課題の調査結果の一部と,今までに得た文献的知識,さらに今後の課題を展望するものである.8課題とは,アイスランドの変動地形に関しては, II-1.新期火山帯に活動中の断裂地形,II-2.主要火山の噴火状況, II-3.後氷期におけるアイソスタシー隆起量.氷河・周氷河地形に関しては, III-1.大氷床説と小氷床説に対する氷床の表面プロファイル論, III-2.ソリフラクション,構造土とパルサ.気候環境に関しては,IV-1.化学的噴出物と気候変化, IV-2.河川流量変化型の計量結果, IV-3.農業の単位生産熱量である.そして最後に,アイスランドの自然地理学には,8課題のほかにも多くの課題が残されていること,日本との間には共通課題もあること,アイスランドは自然地理学実験場として真に好適であることを指適した.

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