地理学評論 Ser. A
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元浦川・日高幌別川の河成段丘
岩崎 孝明吉永 秀一郎平川 一臣
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1991 年 64 巻 9 号 p. 597-612

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抄録

北海道日高地方南部の元浦川・日高幌別川流域の河成段丘について,最終間氷期以降の発達過程をテフロクロノロジーに基づいて検討し,堆積物の特徴を現河床堆積物と比較して議論した.
河谷の中・上流部は,最終氷期前半に厚い堆積物によって埋積された.この堆積作用は,堆積物の粒径の減少によって示される河川運搬力の低下,とくに粗粒礫の運搬にかかわる最大流量の低下に起因すると考えられる.また,山地斜面からの供給物質量の増大も影響している.最終氷期後半の段丘堆積物の粒径も現河床堆積物に比べて小さいので,河川の運搬力には最終氷期前半以降大きな変化はなかったであろう.それにもかかわらず,堆積物の層厚が厚くないのは供給岩屑量が減少したことが推定される.しかし,一万年間あたりの堆積速度についてみると,再時期の堆積速度の差はほとんどないので,段丘堆積物の厚さの差は堆積期間の長さを示していると考えられる.

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