地理学評論 Ser. A
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都市地表面アルベドの表面形状依存性に関する数値実験
中川 清隆
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1996 年 69 巻 6 号 p. 415-435

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抄録

道路幅が一様な碁盤の目状地割りに,底面が正方形の直方体建築物が配置された,数値的な都市模型のキャニオンに平行または45°の方向から任意の太陽高度で日射が入射する際の天頂方向への反射日射強度を決定論的に計算するスキームが開発される.あらゆる組み合わせの天空率,建蔽率および太陽高度に対して計算されるこの都市模型の地表面アルベドを整理して,地表面アルベドの天空率依存性,建蔽率依存性,および太陽高度依存性が明白にされる.すなわち,地表面アルベドは,極端に大きな建蔽率や小さな建蔽率の場合は相対的に高く, 0.25を中心とする中程度の建蔽率の場合に相対的に低い.天空率が比較的大きい領域では地表面アルベドは天空率の低下とともに急減するが,小天空率領域では地表面アルベドには天空率依存性はほとんど認められない.地表面アルベドの建蔽率および天空率に対する依存性は,太陽高度が低下するに従って顕在化する.この事実は,都市キャニオン床に日陰が形成されると,本来ならばこのキャニオン床の日陰に入射するはずの直達日射がキャニオンの日向側壁面に入射し,そのうちのかなりの部分が多重反射によりキャニオン内にトラップされるため,天頂方向へ反射される日射量が減少することを意味する.

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