地理学評論 Ser. A
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釧路市における小売業の地域構造
その昼間と朝・夜間との比較
根田 克彦
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1997 年 70 巻 2 号 p. 69-91

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抄録

本研究では,北海道釧路市を事例として,第一種大規模小売店が営業する昼間と,それらが営業しない時間帯である朝・夜間とでそれぞれ小売商業地を類型化した.昼間において小売商業地は,センターに相当する近代的核心商業地,伝統的核心商業地および近隣商業地と,リボンに相当する近代的リボンおよび伝統的リボンに類型化された.中心商業地の核心部と第一種大規模小売店が立地する地区は,近代的核心商業地に属する.近代的核心商業地を伝統的核心商業地が囲み,近隣商業地はその外側に点在する.一方,近代的リボンは市西部の国道沿いに連担して自動車街を形成し,伝統的リボンは市街地の縁辺部に分布している.次に,朝・夜間において小売商業地は,センターに相当する近代的核心商業地と伝統的核心商業地,リボンおよび生鮮食料品特化商業地に類型化された.近代的核心商業地は中心商業地に集中する.伝統的核心商業地の地区数は非常に多く,朝・夜間で最も卓越する類型である.リボンは市西部の国道沿いに連担しており,生鮮食料品特化商業地は少数のみである.

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