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地理学評論 Ser. A
Vol. 73 (2000) No. 3 P 161-181

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http://doi.org/10.4157/grj1984a.73.3_161


琉球列島中・南部の島棚地形の特徴を音響測深記録・音波探査記録の解析から明らかにし,最終氷期最盛,期以降の海面変動などとの関係を考察した1島棚地形の特徴は平均深度50~55mに認められる内側傾斜変換点innerbreak (IB) を境にして大きく異なり,IBより浅い海底にはピナックルなどのサンゴ礁地形が・発達するのに対し, IBより沖側では平滑な斜面や海食作用により形成されたと考えられる平坦な地形面が目立っ.海面変動曲線,海洋環境の変化などとの関係から,琉球列島中・南部ではIB付近に海面が運した約10~11 kyr B. P. 以降にサンゴ礁の上方への成長が活発になったと考えられる.また,斜面上におけるサンゴ礁の上方成長は海面上昇速度に追いつけず,サンゴ礁形成の場はIBから陸側に移ってきたと推定される.低緯度域のサンゴ礁分布域では氷期から晩氷期にかけての低海面期にもサンゴ礁の活発な上方成長が起こっていた場所が存在するのに対し,琉球列島中・南部ではこのような現象は認められない.

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