地理学評論 Ser. A
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日高山脈トッタベツ川源流域における第四紀後期の氷河作用とその編年
岩崎 正吾平川 一臣澤柿 教伸
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2000 年 73 巻 6 号 p. 498-522

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抄録
氷河地形・堆積物および指標火山灰の分布と層序に基づいて,日高山脈トッタベツ川源流域における第四紀後期の氷河作用とその編年について考察した.その結果,最終氷期の氷河作用については,ポロシリ亜氷期とトッタベツ亜氷期に対比されるそれぞれの氷河最大前進期の年代と氷河分布範囲をほぼ明らかにすることができた.ポロシリ亜氷期の氷河が最も前進したのは,楽古パミス3の降下 (75ka) 以降で,支笏降下軽石1の降下(40~42ka)頃である可能性が高い.当時の氷河末端位置は標高850m付近と推定される.トッタベツ亜氷期の氷河は,恵庭a降下軽石の降下頃 (17~18ka) に,標高1, 250m付近にまで到;達し,その後退の過程で.少なくとも4回の停滞期あるいは再前進期を示す明瞭なターミナルモレーンをカール周辺に形成した.また,恵庭a降下軽石による被覆のために,氷河は急激に融解し,融氷河流砂礫の堆積を引き起こした.最終氷期以前では,洞爺火山灰の降下 (100~106ka) にかなり先行する氷河作用の存在が確実になった.この時期(エサオマン氷期)の氷河作用は,酸素同位体比ステージ6に位置づけられる可能性が高い.当時の氷河は,明瞭なU字谷を形成して最終氷期におけるよりも広範囲に拡大した.この氷食谷の形成には,さらに古い氷期の氷河作用が関与している可能性がある.
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