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地理学評論
Vol. 81 (2008) No. 8 P 615-637

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http://doi.org/10.4157/grj.81.615


衰退を続ける日本の水田稲作の再生をめざして, 政府は生産性の向上を可能にする大規模経営体を中心とした担い手の育成を進めている. しかし, 伝統的な村落社会に根ざした水田稲作地域は, 担い手農家や農外就業に依存した兼業農家, 自らは農業を行わない土地持ち非農家など多様な農家からなっている. したがって, 持続可能な水田稲作を実現するためには, 担い手農家以外の農家をも視野に入れた地域農業の再編が必要である. 本研究では, 第二種兼業農家率が高く, 小規模農家の割合が高い富山県砺波平野において生産の組織化を図りながら, 大規模水田稲作経営を展開している農業生産法人を事例にして, 持続可能な水田稲作の実現に向けた考察を行った. その結果, 持続可能な水田稲作を実現するためには, 地域の実情に即した経営戦略を有する農業生産法人を育成し, 地域内の余剰労働力や農地などの有効活用を実現する地域農業の形成が鍵となることが明らかとなった.

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