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地理学評論
Vol. 81 (2008) No. 8 P 671-688

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http://doi.org/10.4157/grj.81.671


子どもの知覚環境は, 成長に伴って野外での遊び行動を通して発達すると考えられる. 本研究はアンケート調査と手描き地図調査を用いて, ニュータウン地区における子どもの知覚環境の発達プロセスを明らかにすることを目指した. 就学前児童から中学校第1学年までに対し調査を行った結果, 次の事実が明らかになった. ニュータウン地区の子どもの遊び行動は制約が多い. 手描き地図の分析によれば, 保育園の年長児ですでにルートマップが形成され始め, 小学校第4学年以降サーベイマップの割合が次第に増加することが明らかになった. また, 建物表現に注目すると, 立面的な表現から位置的な表現へ, 視点が転換され, 相貌的な知覚の傾向が弱まる. それでもサーベイマップを描く子どもは, 中学校第1学年においても約半数にとどまり, 広域の空間を知覚する機会が少ないため, ルートマップからサーベイマップへの移行がハート・ムーア (1976) の研究結果に比較して遅くなる傾向にあることが明らかになった.

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