機械翻訳(MT)の技術の進歩と性能の劇的な向上によって実用に十分に耐えられる品質の翻訳を入手することが容易となったが、MTを使って英文を書く場合、本当に英語の知識が不要なのか。英語スキルの不足によって英文ライティングをMTに頼る場合、逆翻訳で訳文を確認することが多いと思われる。2019/2021年度に四年制私立大学の英語科目で提出された、MTを主なツールとして利用して取り組んだ英語ライティング課題から、本人の意図通りではないと思われる英文を取り出し、逆翻訳で間違いに気付けるかを検証した。その結果、2024年度時点のMTでは本来正しく翻訳できたと思われるものも多かったが、日本語原文に反映されない文法や表現、日本語では文字通りより多くの意味を持つもの、同じ表現で複数の意味があるもの、文字通りに訳すと不自然なものなど英文で調整する必要があるものが多くあり、生成AIへの問い合わせ結果を参照しながら、逆翻訳のみで対応するのは困難であることを確認した。従って、英語コミュニケーションにMT等のAIを利用する場合でも、英文を自分で読みその内容を判断するための英語の基礎知識が必須であると言える。