宝石学会(日本)講演会要旨
平成27年度 宝石学会(日本)講演論文要旨
会議情報

平成27年度 宝石学会(日本) 講演会 論文要旨
最近遭遇した日高ヒスイ(Hidaka Jade)について
*林 政彦林 富士子坂巻 邦彦安井 万奈山崎 淳司
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 3-

詳細
抄録

1.はじめに
 日高ヒスイ(透輝石)は番場猛夫が1972年に鉱山地質学会誌(現,資源地質学会誌)で発表し,1980年には宝石学会誌でも紹介され,世界的に有名になった日本産宝石の一つである.同種の透輝石を,現場近くの転石で観察する機会を得たので,他の産地の透輝石と比較して報告する.
 2.産状について
 北海道日高町千栄(Chisaka)産の日高ヒスイは,蛇紋岩とロジン岩の間に挟在する産状で見られる.鉱物種としては,新潟県糸魚川などで見られるひすい輝石(Jadeite:NaAlSi206)ではなく,透輝石(Diopside:CaMgSi206)である.
 一方,様似郡様似町幌満(Horoman)等の橄欖岩に含まれる緑色∼濃緑色透輝石も含有するクロムで着色されたものである.これも日高ヒスイと呼んでもよいのではないだろうか.
 3流通について
 日高山脈博物館で日高ヒスイを観察できるが,現地で緑色透輝石は確認できなかった(2014年9月20日調).また,市場ではほとんど見られない.これらの緑色透輝石の着色原因はいずれもクロムの含有によるものであり,綺麗な緑色を呈する魅力的な宝石として,今後は流通する可能性がある.

著者関連情報
© 宝石学会(日本)
前の記事 次の記事
feedback
Top