宝石学会(日本)講演会要旨
平成27年度 宝石学会(日本)講演論文要旨
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平成27年度 宝石学会(日本) 講演会 論文要旨
タンザナイトの天然石、処理石の分光スペクトルによる比較分析並びに原産地報告
*高 興和古屋 正貴畠 健一
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キーワード: タンザナイト
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p. 9-

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抄録

紫色の美しい花、ジャマランカが咲き誇るタンザニアの大地の地下1000メートルに美しい紫味を帯びたタンザナイトが眠っている。ジャマランカの花言葉は「栄光」と「名誉」。1960年後半に発見されたタンザニアを代表する新しい宝石タンザナイトにいまだ正式な宝石言葉はない。20世紀を代表する宝石の1つになったタンザナイトの宝石言葉に、「栄光」と「名誉」を贈りたい。タンザナイトの命名通り、現在タンザナイトはタンザニアのみ産出し、詳しくはアルーシャ地方のメラニヒルズのみが確認されている。1971年タンザニア政府によりメラニヒルズ鉱山は一旦国有化されたが、1990年、政府系、民間系の4つのブロックに分けられ、現在各ブロックごとに採掘が稼働している。
 Aブロック) 政府系 Kirimanjaro Mines Limited
 Bブロック) 民間系 小規模業者 オーナー数約200名
 Cブロック) 政府系 Tanzanait one
 Dブロック) 民間系 オーナー数 約300名
 今回、BブロックのELISARIA MSUYA MAININNG社の協力のもと地下500メートルの採掘現場より入手した原石を中心に研磨、インクルージョン観察、その後、3時間ずつ、100°C、200°C、300°C、350°C、400°C、450°C、500°Cの加熱処理を実施、分光スペクトルの処理前、処理後の検査結果を得た。今回の現地調査の目的は、通常低温加熱されているタンザナイトについて、確かなサンプル原石を入手すること。そして、今回はBブロックに絞り、品質をジェム・クオリティ、ジュエリー・クオリティ、アクセサリー・クオリティの3段階に分け、出現率を調査することである。宝石の価格相場は宝石の品質を評価し、その出現率と需要で決まる。
 今回、タンザナイトのBブロックに絞り込み、鉱山の現地調査を実施。その原産地状況を報告する。

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