宝石学会(日本)講演会要旨
平成28年度 宝石学会(日本)講演論文要旨
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平成28年度 宝石学会(日本) 一般講演要旨
真珠の「テリ」について
テリ向上へのアプローチ
*南條 沙也香室賀 文香小松 博
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p. 16-

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抄録

真珠は「テリ」、「地色(実体色)」「まき」、 「形」、「キズ」、「面」等を構成要素に持ち、 品質が決定される。その中でも「テリ」は 重きを置かれている。
これまで「テリ」は真珠検査制度設立に 向けての専門家による諸考察(*1)にもある ように「巻き」と相関していると考えられ、 現在でも多くの人にそのように捉えられている。
また、真珠の「テリ」に関して国立真珠 研究所を中心に幾つかの研究が行われてき た。その中で水温が真珠の結晶の成長に影 響を与えるとし、季節変化との相関性を示 した報告がある(和田:国立真珠研究所報 告:1961)。冬の時期は美しい干渉色を放つ 層を形成すると報告されており、実際の養 殖の「浜揚げ」も 11 月から 2 月にかけて行 われる。
当研究所の研究において「テリ」は「巻き」との相関性が必ずしも見られず、また 結晶の整然性、厚さの均一さ等様々な要因 が重なってテリの強弱に影響を与えている と考えられた。そのため養殖過程において水温以外の要因も存在すると示唆される。 以上のことを踏まえ、これまでの報告や定説を再検討し養殖過程でのテリの向上について考察したのでこれを報告する。
参考文献
(*1) 松井 桂一(真珠の事典;1965)

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