宝石学会(日本)講演会要旨
平成30年度 宝石学会(日本)講演論文要旨
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平成30年度 宝石学会(日本) 一般講演要旨
アクワマリンの加熱処理について
*藤原 知子岩松 利香難波 里恵
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p. 20

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抄録

3月の誕生石でもあるアクワマリンはラテン語で海の水を意味する青色の色調の宝石である。エメラルドと同じ仲間のベリルに属するが、エメラルドに比べ安価で、日々の鑑別業務でもよく見かける宝石である。エメラルドやアクワマリンを含むベリルは、 Be3Al2Si6O18 の化学式で表されるベリリウムとアルミニウムケイ酸塩鉱物である。また 6 つの SiO4 四面体サイトがリング状に結合したサイクロケイ酸塩で、 C 軸方向に伸びたチャンネルには H2O や陽イオンが入り電荷バランスをとっている。アクワマリンの色因は鉄で、大半は加熱処理により、緑みや黄みを取り除いて青色にしていると言われている。しかし、この加熱処理はコランダムのような高温ではなく、 300〜500℃くらいの低温で加熱されているとされ、今のところ処理の看破は難しいとされている宝石のひとつである。そのため、 AGL(宝石鑑別団体協議会)においても「通常、加熱処理が行われています」の開示コメントが使われている。

そこで今回の実験では 5 つの産地の原石を集め加熱処理をした。まず、 C 軸に平行方向の面と C 軸に垂直方向面になるように石をカットし、研磨した。それらの石を約 400~480℃の間で何回かに分け、一時間加熱した。その結果を報告する。紫外可視分光と赤外分光では加熱による Fe3+→Fe2+の変化や H2O を比較した。

また、ラマン分光やフォトルミネセンス分光を使用し、軸の方向に注意し測定した。今回は特に C 軸に平行な方向、チャンネル方向に焦点をあて報告をする。

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