2018 年 33 巻 1-4 号 p. 50
最近、鑑別作業で出会ったコモンオパールの中で、同じような外観をしているにもかかわらず、屈折率が異なったり、分光波形が異なった石があった。
最近は、オパールとカルセドニーが隣接する石の鑑別依頼も多くある。
屈折率などの基本検査で鑑別できない石について、どの範囲に属するものとすれば良いかについて疑問を持った。
オパールとカルセドニーが隣接する社内のサンプルについて詳しく検査してみると、屈折率などの差異以外に、赤外分光検査で1157cm-1 付近の吸収に違いが現れた。
そこで当該資料についてより詳しい検査(顕微IRによる赤外分光、ラマン分光、ビッカーズ硬度、X線回折など)をすると共に、その他のオパール、カルセドニーのサンプルについても、赤外分光、ラマン分光、ビッカーズ硬度、などの検査行い、オパールとカルセドニーの違いを赤外分光の吸収によって明瞭に区別できるかについて研究をしてみた。