2021 年 65 巻 2 号 p. 13-25
ベトナムのメコンデルタでは,マングローブ林の保護とエビ産業発展の両立が課題となっている。そこで,ベトナム政府は,マングローブ統合型エビ養殖を推奨してきた。しかし,当該生産様式は生産性が乏しく,他の生産様式へ変更する漁家も出現している。当該生産様式の発展を妨げる要因は何であろうか。本論文では,カマウ州での実態調査をもとに,マングローブ統合型エビ養殖の現状と課題を明らかにする。調査の結果,当該生産様式の収益性が他の生産様式に比べて低いことが確認できた。その要因は,長期的な土地利用が保障されていないこと,漁家の養殖技術が未熟であること,低品質な種苗供給,有機栽培のエビとして販売するバリューチェーンが確立されていない点であることが明らかになった。ベトナム政府はこれらの問題に対応すべきである。