肺癌
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第20回日本肺癌学会肺癌ワークショップ <セッションII>
ゲノム多様性と抗癌剤副作用―関連遺伝子探索のための方法論について―
松浦 正明
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ジャーナル オープンアクセス

2006 年 46 巻 3 号 p. 253-258

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抄録

目的.抗癌剤に対する副作用関連遺伝子探索のための一塩基多型(SNP)を用いたアソシエーション解析を考察し,統計学的検出力の高い方法を検討する.方法.主要なハプロタイプの数を考慮し,SNP単位での解析手法とハプロタイプ単位での解析手法の比較検討を行う.さらにハプロタイプブロックを考察する事により,ハプロタイプの数とアソシエーション解析における統計学的検出力との関係を調べる.結果.主要なハプロタイプの種類が2種類の場合はSNP単独の解析でも信頼性の高い結果を得られるが,主要なハプロタイプが3種類以上の場合は重要な関連遺伝子を見逃す可能性がある.副作用関連遺伝子の探索のためのアソシエーション解析で検出力を高めるためには,ハプロタイプブロックの適切な同定と,ハプロタイプの論理和モデルの利用が重要である.結論.抗癌剤の治療効果や副作用に関連する遺伝子やマーカーの探索のためのSNPを用いたアソシエーション解析における注意点と統計的検出力の高い解析法を提示した.

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© 2006 日本肺癌学会
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