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肺癌
Vol. 48 (2008) No. 3 P 165-170

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http://doi.org/10.2482/haigan.48.165

総説

胸膜中皮腫の診断には画像診断も重要であるが,確定診断は病理組織標本によって行われる.針生検や胸腔鏡下生検によって得られた腫瘍組織をHE染色のみならず免疫組織化学的な診断手法によって確定診断する.すなわち,上皮型中皮腫陽性マーカーとして,calretinin,WT-1などがあり,陰性マーカーとして,CEA,TTF-1がある.一方,肉腫型では陽性マーカーとして低分子ケラチン(AE1/AE3,CAM5.2),calretinin,陰性マーカーとしては真の肉腫の陽性マーカーであるdesmin,smooth muscle actinなどがある.臨床診断上,胸膜中皮腫と鑑別が必要な疾患として多形型肺癌,偽中皮腫様肺癌,線維性胸膜炎(良性石綿胸水)がある.胸膜中皮腫の治療については,放射線療法が単独では無効のため,治療方法が限定される.IMIG分類のstage IIIまでが胸膜肺全摘出術の適応ではあるが,stage IIIでもリンパ節転移のある症例の予後はよいとは言えない.stage IIIあるいはIVではcisplatin(CDDP)+pemetrexed併用療法が最も有効である.胸膜肺全摘出術,放射線療法,化学療法を組み合わせたtrimodalityの予後が最もよいと報告されているが,performance status(PS)のよい若年症例に限られる.その他に有効な治療方法はない.

Copyright © 2008 日本肺癌学会

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