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肺癌
Vol. 49 (2009) No. 4 P 386-391

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http://doi.org/10.2482/haigan.49.386

総説

目的.悪性胸膜中皮腫の化学療法の奏効率は低く生存への寄与も明らかではない.本研究では悪性胸膜中皮腫の薬剤感受性の解析結果に基づいた新たな治療戦略の可能性について検討した.方法.悪性胸膜中皮腫症例から培養株の樹立を行い,MTT法を用い現在の第1選択レジメンであるシスプラチンとペメトレキセドの感受性の検討を行った.また,従来の悪性胸膜中皮腫に対するkey drugの1つであるアンスラサイクリン系の新規抗癌剤,アムルビシンの感受性についても検討を加えた.さらにシクロオキシゲナーゼ(COX)酵素阻害剤との併用効果についても検討を加えた.結果.シスプラチン,ペメトレキセド単剤で悪性胸膜中皮腫に対する増殖抑制効果が認められたが,アムルビシンの増殖抑制効果はさらに強い傾向を示した.さらに,COX-2阻害剤の併用により胸膜中皮腫細胞の増殖抑制増強効果が観察された.結論.薬剤感受性が低く難治性の疾患である胸膜中皮腫に対して,シクロオキシゲナーゼをターゲットにした新しい治療戦略やアムルビシンを用いた治療も今後期待される治療法になりうることが示唆された.

Copyright © 2009 日本肺癌学会

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