肺癌
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原著
非小細胞肺癌に対するペメトレキセド長期投与22例の検討-国内第II相無作為化試験の解析-
松井 薫江夏 総太郎南部 静洋
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2009 年 49 巻 7 号 p. 1019-1026

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抄録

目的.非小細胞肺癌既治療例を対象とした国内第II相無作為化試験(NS01試験)において,ペメトレキセドの長期投与が可能であった症例を検討した.方法.NS01試験で安全性解析対象となった225例のうち,10コース以上のペメトレキセド投与が可能であった22例を長期投与例とし,Grade 3/4無毒性生存期間,主なGrade 3/4の副作用の発現例数,無増悪生存期間,奏効期間を用いて検討した.結果.Grade 3/4無毒性生存期間中央値は5.6ヵ月であった.10コース以降にGrade 3/4に悪化した副作用は,血液毒性では白血球数減少が1例及び好中球数減少が2例であり,非血液毒性ではアラニン·アミノトランスフェラーゼ上昇が1例及び倦怠感が1例であった.10コース以降に新規に発現したGrade 3/4の副作用はめまい及びふらつきが各1例で,いずれもGrade 3であった.無増悪生存期間中央値は10.0ヵ月,奏効期間中央値は9.0ヵ月であった.結論.ペメトレキセド長期投与22例において,予期せぬ副作用や不可逆的な副作用は認められなかった.

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© 2009 日本肺癌学会
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