肺癌
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症例
多彩な組織像を呈した肺癌肉腫の1例
高山 裕介江川 博彌中村 有美菅原 文博向田 秀則金子 真弓
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2010 年 50 巻 2 号 p. 151-156

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抄録

背景.肺癌肉腫は組織学的に癌腫と肉腫の両成分が混在する腫瘍で,肺癌の中でもその発生頻度は非常に低く,術前の正確な診断は困難である.症例.67歳男性.血痰,胸痛で発症した.胸部CT検査にて右肺尖部に40 mm大の腫瘤影を認めた.肺癌を強く疑い,手術を施行した.腫瘍は胸壁に浸潤しており,一部胸壁も合併切除した.組織学的に腫瘍の大部分は未分化癌の像を呈していたが,一部に角化の明瞭な扁平上皮癌の像と,さらに一部に大細胞神経内分泌癌(LCNEC)の成分が混在していた.また,ごく一部には軟骨肉腫の像も認めた.以上の所見より,本例は肺癌肉腫と診断した.術後病期診断はpT3N0M0,Stage IIBであった.癌腫の部分にLCNECの混在がみられたことより,術後シスプラチンとエトポシドによる化学療法を実施したが,同治療中に帯状疱疹を併発したために1コースのみとなった.現在経過観察中であるが,術後2年再発なく生存中である.本邦における過去20年間の,組織診断の明確な肺癌肉腫87例を蒐集し検討を行った.結論.LCNECを含む多彩な組織像を呈した肺癌肉腫の1例を報告し,本邦で報告された肺癌肉腫症例の検討を行った.

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© 2010 日本肺癌学会
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