J-STAGE トップ  >  資料トップ  > 書誌事項

肺癌
Vol. 51 (2011) No. 7 P 835-839

記事言語:

http://doi.org/10.2482/haigan.51.835

症例

背景.近年,我が国では地域基幹病院における進行がん患者のケアの充実を目的とした緩和ケアチーム(以下PCT)の創設が増加している.今回我々はPCTによる全人的緩和ケアの提供により,難治性の身体的癌性疼痛に対して良好なコントロールが可能となった進行非小細胞肺癌症例を経験したので報告する.症例.症例は56歳女性.進行非小細胞肺癌にて約2年間,多数回の化学療法を受けていた.最終の化学療法後から,右側胸部持続性疼痛を訴えるようになり,当院PCT紹介となった.身体的疼痛の原因は原発巣の胸壁浸潤によるものと判断され,フェンタニル増量・適正量のレスキューの使用などが施行されたが,十分な除痛は得られなかった.その後,患者自身に遺言書の作成希望があることが明らかとなり,霊的・精神的疼痛のコントロールを企図して行った遺言書作成後,急速に局所身体的疼痛スコアが減少し,亡くなられるまでの十数日間,良好な疼痛緩和が得られた.結論.本症例は霊的・精神的疼痛と身体的疼痛が密接に関連していた可能性が高く,PCT介入により全人的疼痛の把握/対処が可能となったことで,良好な疼痛緩和が得られたものと考えられた.

Copyright © 2011 日本肺癌学会

記事ツール

この記事を共有