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肺癌
Vol. 52 (2012) No. 2 p. 142-152

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http://doi.org/10.2482/haigan.52.142

総説

現在本邦で非小細胞肺癌に使用可能な分子標的薬には上皮成長因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)と抗血管内皮増殖因子(VEGF)抗体があり,早期に臨床導入が期待される薬剤にはanaplastic lymphoma kinase(ALK)阻害剤がある.EGFR-TKIは2002年に臨床導入され10年近い年月を経て,日常診療としてEGFR遺伝子変異の検索を行うことが浸透し,「効果をもたらす真の標的を理解して適切に使用する」ことが可能になってきた印象がある.臨床導入2年目のベバシズマブについては「毒性の回避」と「いつまで使うのか」が盛んに議論されているが,「どの症例に・いつまで使用すべきか」の理論的根拠になるようなバイオマーカーについてはほとんどエビデンスがない状況であり,他の血管新生因子の関与など新たなバイオマーカーの探索が期待される.ALK阻害剤では今後承認されるまでにEML4-ALK融合遺伝子の診断法がどこまで確立・一般化され,validationされるのかが重要で,広く日常診療で患者選択ができ適切に広く臨床に導入できるようになることが望まれる.

Copyright © 2012 日本肺癌学会

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