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肺癌
Vol. 52 (2012) No. 2 p. 242-247

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http://doi.org/10.2482/haigan.52.242

症例

背景.echinoderm microtubule-associated protein-like 4(EML4)-anaplastic lymphoma kinase(ALK)肺癌に対し,ALK阻害剤であるcrizotinibが有用である.一方,葉酸代謝拮抗剤であるpemetrexed(PEM)は,肺腺癌に対し1次だけでなく2次以降の治療にも広く用いられている.症例.39歳女性,非喫煙者.右肺下葉原発の肺腺癌で,右肺門・縦隔リンパ節腫大,両側肺内転移,心嚢液貯留,多発肝・骨転移を認めた.erlotinib,carboplatin(CBDCA)+paclitaxel+bevacizumabの治療はともに多発肝転移に対し無効であった.EML4-ALK陽性で,crizotinibの治験に参加しpartial response(PR)となったが,7ヶ月目に多発肝転移の増大および新たに多発脳転移が確認され投与を終了した.4次治療としてCBDCA+PEMの投与を行い,2クール後に肝・脳転移の縮小を認め,5クール目からPEM単剤による維持療法へ移行した.8クール後(26週目)に単発脳転移の再発を認めガンマナイフ照射を施行した.11クール後(35週目)の胸腹部CTでも再増大はなく,PEMの投与は13クール(単剤で9クール)まで行ったが,43週目に癌性髄膜症と判明し投与終了した.結論.EML4-ALK肺腺癌に対し,crizotinibに耐性化した後,4次治療としてのPEMが著効し長期間病勢制御が可能であった症例を経験した.ALK肺癌へのPEMの有効性についてはさらに検討を要する.

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