肺癌
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Print ISSN : 0386-9628
症例
悪性胸膜孤立性線維性腫瘍に発症したnon-islet cell tumor hypoglycemiaの1例
片岡 瑛子大塩 麻友美五十嵐 知之元石 充澤井 聡花岡 淳
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53 巻 (2013) 1 号 p. 59-63

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抄録

背景.Non-islet cell tumor hypoglycemia(NICTH)は膵外腫瘍による空腹時低血糖症であり,頻度は少ない.悪性胸膜孤立性線維性腫瘍(solitary fibrous tumor;SFT)によるNICTHにステロイド治療が奏効した1例を経験したので,文献的考察を加え報告する.症例.72歳,男性.4年前の健診で右上肺野に異常陰影指摘,胸部CTで右肺尖部に12×9×8 cm大の腫瘤陰影を認め,右肺上葉・胸壁合併切除術を施行し,胸膜由来の悪性SFTと診断した.1年前に胸腹部CTで右胸腔内に多発する腫瘤影,右鼠径リンパ節腫脹を認め,リンパ節生検より悪性胸膜SFT術後再発と診断,無治療で経過観察としていた.今回は低血糖発作で救急搬送,経過と精査より悪性胸膜SFTによるNICTHと考えられた.高カロリー持続点滴とブドウ糖投与で対応していたが,頻回に低血糖発作を繰り返したため,ステロイド経口投与を開始した.低血糖症は改善し,輸液を終了することができたが,経口摂取の状況や腫瘍の増大とともにステロイドの投与内容の変更や投与量増量を要した.結論.SFTのNICTHに対する治療として,外科的治療が唯一効果的であるといわれているが,本症例のように手術適応外の場合,ステロイドが有用である.しかし,その投与時間や投与量は工夫が必要である.

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© 2013 日本肺癌学会
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