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肺癌
Vol. 53 (2013) No. 6 p. 745-750

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http://doi.org/10.2482/haigan.53.745

原著

目的.進行非小細胞肺癌の生命予後および化学療法の目標に対する患者認識の実態と,終末期の転帰との関連を調査した.対象と方法.進行非小細胞肺癌で一次治療以上の化学療法を施行した36例.方法は,癌の治癒と化学療法による癌の完全除去についての患者認識をアンケート調査し,さらに正確あるいは不正確な認識による終末期の転帰の差を前向きに研究した.結果.化学療法開始日から調査時までの中央値は17.7ヶ月であった.癌が治癒しないと認識した患者は56%で,癌の治癒と化学療法による癌の完全除去について正確に認識が一致した患者は38%だけであった.調査後に死亡した19例のうち,認識が正確な群(正確群)11例と不正確な群(不正確群)8例との間で,化学療法中止から死亡までの期間と生存期間に差がなかった.化学療法中止を医者が患者に直接説明した例は正確群で64%と,不正確群の38%に対して多い傾向であった.看取り場所の緩和ホスピス例は,正確群が不正確群に比べて多い傾向であった(31% versus 0%,P=0.055).結論.多くの進行非小細胞肺癌患者が生命予後と化学療法の目標について誤認識しており,それが不適正な終末期治療選択に繋がると考えられる.

Copyright © 2013 日本肺癌学会

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