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肺癌
Vol. 53 (2013) No. 6 p. 782-786

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http://doi.org/10.2482/haigan.53.782

症例

背景.国内外のガイドラインではALK陽性肺癌患者に対し,初回crizotinib療法は推奨されているものの,高齢者およびperformance status(PS)不良のALK陽性肺癌患者に対しての効果・安全性についての報告は少ない.症例.77歳,女性.2012年7月より左臀部痛を自覚した.全身検索の結果,右下葉原発肺腺癌の診断とされ,免疫組織化学染色およびFISH(fluorescence in situ hybridization)法にてechinoderm microtubule-associated protein-like 4-anaplastic lymphoma kinase(EML4-ALK)融合遺伝子陽性であった.高齢かつPS 3であるため,殺細胞性抗腫瘍剤の適応はないと考え,初回抗がん剤治療としてcrizotinibを選択した.悪心や補正QT時間延長を認め,250 mg 1日2回経口投与から200 mg 1日2回経口投与に減量したが,腫瘍縮小とPSの改善が得られ,治療開始6か月となる現在も効果を維持している.結論.高齢者・PS不良のEML4-ALK融合遺伝子陽性肺癌に対する初回抗がん剤療法としてcrizotinibを選択し,partial responseが得られた1例を経験した.

Copyright © 2013 日本肺癌学会

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