肺癌
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症例
左大殿筋転移を認めた悪性胸膜中皮腫の1例
伊藤 俊輔田代 研星野 昌子福田 勉佐野 厚金子 猛
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2015 年 55 巻 1 号 p. 14-19

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抄録

背景.悪性中皮腫の遠隔転移は少ないといわれているが,近年,他臓器への転移を来した報告例も散見されている.一般的に悪性腫瘍の遠隔転移としての骨格筋転移は稀であり,悪性中皮腫に関しては骨格筋転移を来した症例報告は本邦ではまだなく,大殿筋転移を認めた1例を経験したため報告する.症例.症例は77歳男性.2012年7月に左胸水貯留で当院に紹介され,同年8月に胸腔鏡下胸膜生検を施行し,上皮型悪性胸膜中皮腫(stage IB:AJCC/UICC分類)と診断した.高齢であり,胸膜肺全摘出術は希望されず,化学療法単独療法を施行し,外来で経過観察としていた.2014年3月頃より左臀部に腫瘤を自覚し,2014年7月のCT所見で左大殿筋の腫大を認めたため,同部位から筋生検を行い,悪性中皮腫の大殿筋転移と診断した.結論.悪性胸膜中皮腫の左大殿筋転移の1例を経験した.非常に稀ではあるが,本疾患においても骨格筋転移の可能性を考え,積極的な生検が重要であると考えた.また,本症例においては放射線治療がQOLの改善にとって有用であったと考える.

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© 2015 日本肺癌学会
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