肺癌
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症例
術前気管支鏡下肺マッピング法(VAL-MAP;virtual-assisted lung mapping)を用い,微小なground-glass nodule(GGN)に対して完全鏡視下切除を行った1例
山梨 恵次徳野 純子住友 亮太庄司 剛佐藤 雅昭黄 政龍
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2015 年 55 巻 4 号 p. 206-211

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抄録

背景.従来の術前肺マーキング法と異なり,複数個所にマーキングを施し,肺に「地図」を描くバーチャル気管支鏡ナビゲーションを利用した術前気管支鏡下肺マッピング法(VAL-MAP)には,より確実・安全な手術支援が期待される.VAL-MAPを用い,微小なGGNに対して完全鏡視下切除を行った症例を報告する.症例.63歳男性.前立腺癌の術前精査のために撮影された胸部CTで,右肺上葉の胸膜直下にGGNを2ヵ所指摘され,当科紹介となった.9ヵ月後の胸部CTでGGNの増大を認め,手術による切除の方針とした.末期腎不全患者であり,VAL-MAPを用いた肺部分切除の適応とした.手術は3ポートによる完全鏡視下手術で行った.右肺上葉に4ヵ所のマーキングを確認し,それらをメルクマールとし,2つの病巣をそれぞれ部分切除した.それぞれの切除標本内に病変を確認し,手術終了とした.術後経過は良好であった.永久病理診断はともにadenocarcinoma in situであった.術後1年現在,再発なく経過観察中である.結論.従来の術前肺マーキング法と比較してVAL-MAPは,確実性と安全性を兼ね備えた有用なマーキング法であると考えられる.

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© 2015 日本肺癌学会
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