肺癌
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総説
呼吸器細胞診update―診断およびバイオマーカーへの活用と課題―
園田 大佐藤 之俊
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ジャーナル オープンアクセス

2020 年 60 巻 5 号 p. 373-378

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抄録

近年,呼吸器系腫瘍は分子標的治療薬や免疫療法の発達によって,その治療の選択の幅が大きく広がった.特に,手術不能例や術後再発例では治療方針の決定のために,組織型をはじめ,遺伝子変異の有無などを調べる必要がある.しかし,呼吸器系臓器は解剖学的特性上,検体採取が困難な例が少なくない.術前検査や手術適応のない症例では,十分な組織検体を採取することができず,検体が細胞診検体のみという場合もある.このため,良質の検体を確保することは重要な課題である.近年,ROSE(Rapid On-Site cytologic evaluation)などの検査方法や,セルブロックや液状化検体細胞診などの細胞保存技術の発達によって,呼吸器系の細胞診は飛躍的に向上した.現在,呼吸器系の細胞診は疾患の発見,診断のみならず,遺伝子異常の検索から次世代シークエンサーの使用まで,その利用範囲は大きく広がり,治療方針の決定にも有用な方法となっている.

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© 2020 日本肺癌学会
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