肺癌
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症例
抗PD-L1抗体薬atezolizumab初回投与直後に発症し急速に増悪した血球貪食性リンパ組織球症(HLH)の1剖検例
山口 統彦宮本 愛子國屋 研斗東 浩志長 彰翁合屋 将楠 貴志西岡 清訓平山 喬酒井 俊輔
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ジャーナル オープンアクセス

2020 年 60 巻 5 号 p. 423-428

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抄録

背景.免疫チェックポイント阻害薬(ICI)による肺癌治療においては,従来の殺細胞性抗がん剤治療とは異質な副作用である免疫関連有害事象(irAE)が生じ致死的な副作用が出ることがある.血球貪食性リンパ組織球症(HLH)は,irAEとしては頻度が低いが重症化しうる重大な副作用である.症例.今回我々は術後再発の肺腺癌の二次化学療法において抗PD-L1抗体であるatezolizumabを投与した.初回投与9日目にHLHを発症し,各種治療に全く反応せず多臓器不全となり,初回投与からわずか17日目に死亡するという激烈な経過の症例を経験した.irAEがHLH発症に関与した可能性が高い経過であった.結論.ICI治療薬初回投与後数日間においても,致死的なHLHが生じる可能性があることを銘記すべきである.

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© 2020 日本肺癌学会
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