肺癌
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症例
当初EGFR遺伝子変異陰性であったが,遺伝子パネル検査でuncommon mutationが検出されアファチニブが奏効した非小細胞肺癌の1例
遠藤 駿三ツ村 隆弘石塚 聖洋本多 隆行榊原 里江池田 貞勝宮崎 泰成
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2020 年 60 巻 5 号 p. 429-433

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抄録

背景.次世代シークエンサーを用いた遺伝子パネル検査の登場により,がんゲノム診療が広まっている.今回,従来のEGFR遺伝子変異検査では変異陰性とされていたが,遺伝子パネル検査による再検索でuncommon mutationの存在が判明した症例を経験した.症例.70歳女性.肺腺癌pStage IIIA,左上葉切除後1年で肺内転移により再発した.手術検体を用いたPNA LNA PCR-Clamp法によるEGFR遺伝子変異検査では陰性と報告された.その後7年間にわたり,化学療法・免疫療法を行ったが,progressive diseaseとなった.遺伝子パネル検査(血液および組織)を実施し,EGFR G719DおよびE709Aが検出された.2018年11月からPNA LNA PCR-Clamp法の検索領域が拡大されたため,同法を再検したところ遺伝子パネル検査と同様の変異が検出され,アファチニブを開始し奏効を得た.結論.EGFR遺伝子変異検査の過渡期に変異陰性と診断された非小細胞肺癌症例の中には,治療効果が期待できるuncommon mutationをもつ症例が混在している可能性がある.

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© 2020 日本肺癌学会
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