2020 年 60 巻 7 号 p. 1017-1021
背景.免疫チェックポイント阻害薬の肺大細胞神経内分泌癌に対する有効性は十分に検討されていない.当院において,ニボルマブにて治療を行った肺大細胞神経内分泌癌の症例を5例経験した.症例.症例は全例男性,64~74歳の肺大細胞神経内分泌癌の5例.2例は超音波気管支鏡ガイド下縦隔リンパ節生検,3例は手術検体により診断された.5例中1例に腫瘍細胞においてprogrammed death-ligand 1の高発現を認め,その1例のみニボルマブが奏効した.結論.ニボルマブが有効な肺大細胞神経内分泌癌の症例を経験した.肺大細胞神経内分泌癌においても腫瘍細胞中のprogrammed death-ligand 1の発現率がニボルマブの効果予測因子となる可能性があり,さらなる検討が望まれる.