肺癌
Online ISSN : 1348-9992
Print ISSN : 0386-9628
ISSN-L : 0386-9628
症例
顆粒球コロニー刺激因子(Granulocyte colony-stimulating factor:G-CSF)産生肺組織球肉腫の1切除例
上村 亮介松岡 英仁加島 志郎堂國 良太桐生 辰徳奥野 恵子小谷 義一
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2022 年 62 巻 5 号 p. 406-410

詳細
抄録

背景.組織球肉腫は非常に稀な疾患であり,腫瘍随伴症候群に関する報告も少ない.今回,我々は白血球増多症を契機に発見された顆粒球コロニー刺激因子(granulocyte colony-stimulating factor:G-CSF)産生肺組織球肉腫の症例を経験したので報告する.症例.50歳女性.倦怠感を主訴に前医を受診し白血球増多症を指摘され,当院に紹介された.胸部CTで左上葉に28×22×43 mm大の腫瘤を認め,PET/CTで同部位に強いFDGの集積を認めた.G-CSFは183.2 pg/mlと高値であり,G-CSF産生肺腫瘍が疑われた.生検は困難と判断され,診断を兼ねて胸腔鏡下左上葉切除術+縦隔リンパ節郭清を行った.術後病理組織検査で免疫染色の結果により組織球肉腫と診断した.また一部の腫瘍細胞は抗G-CSF抗体陽性であり,最終診断はG-CSF産生肺組織球肉腫とした.術後補助化学療法は施行せず,術後1年無再発生存中である.結論.非常に稀なG-CSF産生肺組織球肉腫の症例を経験した.現在,術後1年無再発生存中であるが,今後も慎重な経過観察が必要である.

著者関連情報
© 2022 日本肺癌学会
前の記事 次の記事
feedback
Top