肺癌
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Gonadotropin産生転移性肺癌の経験
中川 健塩沢 正俊高瀬 昭初鹿野 浩
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1972 年 12 巻 2 号 p. 99-107

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抄録
血疾を主訴とし, 胸部X線写真上多数の円形陰影を認めた32才の男子症例に対し, 肺生検材料の組織像およびFriedman反応により絨毛癌の肺転移と診断した. 抗腫瘍剤を投与したが, 入所後5ヵ月で呼吸不全により死亡した. 剖検により両肺に多数肝に3個, 小骨盤後腹膜に1個, 左睾丸に1個の腫瘍が認められ, 前三者はいずれも絨毛癌の組織像を呈し, 転移巣と考えられた. 剖検肺腫瘍中のGonadotropin活性を定量したところ高値であり, 脳下垂体に異常を認めなかったことよりGonadotropin産生転移肺癌と診断した. 原発巣と思われる左睾丸の小腫瘍は精上皮腫瘍様の組織像を呈したことより, 元来totipotencialityを有する胚細胞原性癌が, 睾丸においては精上皮腫へ分化し, 転移巣においては単性生殖への分化能が発揮されて絨毛癌の組織像を呈したものと考えられた.
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© 特定非営利活動法人 日本肺癌学会
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