肺癌
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肺癌におけるテロメア長の変化
城谷 良文
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1997 年 37 巻 2 号 p. 189-195

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抄録

染色体末端に存在するテロメア構造は染色体の安定化などの作用を有しているものと考えられているが, 細胞分裂に伴い短縮していくことが報告されており, 細胞が無限の分裂増殖をしていく機構においてテロメア構造の維持は不可欠なものと思われる.本研究において著者は外科的に切除された肺癌組織検体におけるテロメア長の変化と病期, 組織型およびテロメラーゼ活性との関係を検討した.肺癌症例71例においてテロメア長の変化を認めたものは19例 (26.8%) でそのうちの13例が短縮, 6例が延長例であった.小細胞癌において非小細胞癌に比べ有意にテロメア長の変化例が多く認められたが, 病期との関連は認められなかった.またテロメア長の変化とテロメラーゼ高活性との間には有意な相関を認めた.肺癌における分裂寿命を規定する要因としては, 組織型や遺伝子変異が重要であることが示唆された.

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© 特定非営利活動法人 日本肺癌学会
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