症例は46歳女性. 胸部異常陰影にて受診した. 胸部CT上, 右肺S6に一部に気管支透亮像を伴った多発性結節影と浸潤影を認め, 左肺S8に胸膜嵌入像を伴った径2cmの腫瘤陰影が認められた. 右B6・左B8それぞれより経気管支肺生検を施行し, 右肺S6は肺クリプトコッカス症, 左肺S8は腺癌と診断された. 左肺腺癌に対し胸腔鏡ガイド下左肺下葉切除術を施行した. 右肺クリプトコッカス症に対しては, 術前より抗真菌薬の投与を行い術後も継続した. 肺クリプトコッカス症は希な疾患であるが, 画像上は多彩な陰影を呈し肺癌との鑑別が困難である. 本症例では経気管支肺生検にて肺クリプトコッカス症・肺癌と診断することができ, 両者に低浸襲でかつ有効な治療法が選択可能であったが, 肺癌との合併例では肺内転移との鑑別が重要である.