1997 年 66 巻 3 号 p. 237-242
老年疾患は、日本のハンセン病施設でも重要な問題となっている。とりわけ男性における骨粗鬆症が女性より多いのがハンセン病の特徴である。我々は1987年、国立療養所邑久光明園の男性302名と女性197名とにおいて、第二中手骨の骨皮質幅(MCI)を測定した。そのうち238名のL型男性ハンセン病患者のMCIは、40、50、60、70歳代すべての年代において139名のL型女性ハンセン病患者のMCIよりも低値を示した。L型男性ハンセン病患者において40歳代のMCIは80歳代に比較して70.6%であった。こうした現症はL型男性ハンセン病患者における性腺機能低下症と関係しているものと考えられる。